STEMdiff™ SMADi Neural Induction Kit（ST-08581/08582）は、hPSCからの神経誘導用培地です。SMADシグナル阻害用のサプリメント（SMADi）を添加することで、中枢神経タイプの神経前駆細胞（NPC）の誘導効率向上が期待できます。分化誘導プロトコールは、EB（胚様体）法とモノレイヤー法どちらにも対応しています。
作製したNPCは、STEMdiff™ Neural Progenitor Medium（ST-05833）で継代培養して増殖させることができます。また、NPCは STEMdiff™ Neural Progenitor Freezing Medium（ST-05838）で凍結保存することができます。

STEMdiff™ SMADi Neural Induction Kitで誘導した神経前駆細胞（NPC）から、機能性の前脳型ニューロン（グルタミン酸作動性およびGABA作動性ニューロン）、中脳型ニューロン（ドーパミン作動性ニューロン）、またはアストロサイトへそれぞれ分化・成熟させる培地です。
作製したニューロン・アストロサイトは、神経学的発達や疾患、薬物スクリーニング、毒性試験、およびES/iPS細胞を使用した応用研究の検証など多目的なツールとして使用できます。

STEMdiff™ Motor Neuron Differentiation Kit（ST-100-0871）は、hPSCから脊髄運動ニューロンへと分化させる培地です。Mauryら（Nature Biotechnology, 2015）のプロトコルに基づき開発されました。
作製した運動ニューロンは、STEMdiff™ Motor Neuron Maturation Kit（ST-100-0872）で成熟させることができます。

STEMdiff Neural Crest Differentiation Kit（ST-08610）は、hPSCから神経堤細胞（神経冠細胞、Neural crest cell、NCC）に分化させる培地です。作製したNCCは、感覚ニューロン、シュワン細胞、腸ニューロン、頭蓋顔面ニューロン、メラノサイト、骨細胞、軟骨細胞などへさらに分化させることが可能です。

NCCから末梢感覚ニューロンへの分化には、STEMdiff Sensory Neuron Differentiation / Maturation Kit（ST-100-0341 / ST-100-0684）をご利用ください。

STEMdiff™ Cerebral Organoid Kits（ST-08570, ST-08571）は、hPSCから大脳オルガノイドへの分化、および成熟用の培地です。大脳オルガノイドとは、発達中の大脳のような細胞組成および構造を有する3次元in vitroモデルです。Dr. Madeline Lancasterが発表した組成に基づいており、さらにオルガノイドの形成効率と再現性を高めるように最適化されています。

STEMdiff™ Dorsal Forebrain Organoid Differentiation Kit（ST-08620） および STEMdiff™ Ventral Forebrain Organoid Differentiation Kit（ST-08630）は、hPSCから背側および腹側の前脳オルガノイドへの分化用培地です。Dr. Sergiu Paşcaのプロトコル（F Birey et al. Nature, 2017）に基づき、発達中のヒト前脳に典型的な細胞組成と構造組織を備えた脳領域特異的オルガノイドを樹立できます。

STEMdiff™ Choroid Plexus Organoid Differentiation Kit（ST-100-0824）は、hPSCから脈絡叢オルガノイドへの分化用培地です。
CNS透過性の研究などに役立つ、機能的バリアを備えた脈絡叢様上皮と脳脊髄液（CSF）様液体を含むオルガノイドを作製できます。

STEMdiff™ Hematopoietic Kit（ST-05310）は、hPSCからCD34、CD45、およびCD43を発現する造血前駆細胞に分化させる培地です。
得られる造血前駆細胞は、コロニー形成ユニット（CFU）アッセイ（製品例：MethoCult™ SF H4636（ST-04636））で造血コロニー形成能を示します。

STEMdiff™ Erythroid Kit（ST-100-0074）は、無血清かつフィーダーフリーの条件下で、hPSCからGlycophorin AおよびCD71を発現する赤血球前駆細胞（赤芽球）に分化させる培地です。
作製したCD71⁺GlyA⁺赤芽球は、成熟に適した培養条件に移すことで正赤芽球と網状赤血球への成熟が可能です。

STEMdiff™ T Cell Kit（ST-100-0194） および STEMdiff™ NK Cell Kit（ST-100-0170）は、hPSCからCD34+細胞への誘導を経て、T細胞およびナチュラルキラー細胞（NK細胞）に分化させる培地です。胚葉体形成をともなう3次元培養を経ることで、CD34⁺細胞への誘導効率が向上しました。ロット間差を抑えた大量の分化細胞を得るだけでなく、遺伝子編集したhPSCを分化させて有用な研究ツールとして利用することもできます。

STEMdiff™ Monocyte Kit（ST-05320）は、hPSCから単球に分化させる培地です。単球は培養上清中から浮遊細胞として回収できます。また、得られる単球はImmunoCult™を用いてマクロファージまたは樹状細胞へさらに分化させることができます。

STEMdiff™ Microglia Differentiation Kit (ST-100-0019) および STEMdiff™ Microglia Maturation Kit (ST-100-0020)は、STEMdiff™ Hematopoietic Kit（ST-05310）で分化させた造血前駆細胞からミクログリアへ分化、および成熟させる培地です。Mathew Blurton-Jones研究室のプロトコル（Abud, et al., 2017）に基づいて開発されました。得られるミクログリアは貪食作用を示し、神経炎症モデルや、神経オルガノイドとの共培養アプリケーションに使用できます。

STEMdiff Cardiomyocyte Kitsは、hPSCから心筋細胞への分化、維持、保存のための培地です。hPSCから安定的に高純度な心筋トロポニンT（cTnT）陽性細胞を形成し、長期培養することができます。
得られる心筋細胞は、創薬スクリーニングや心毒性アッセイなどの用途に使用できます。

STEMdiff™ Endothelial Differentiation Kit（ST-08005）、およびSTEMdiff™ Endothelial Expansion Kit（ST-08007）は、hPSCからSTEMdiff Mesoderm Induction Medium（ST-05220）で誘導した初期中胚葉細胞を、高効率で内皮様細胞へ分化、および増殖するための培地です。

STEMdiff™ Blood Vessel Organoid Kit（ST-100-0651）は、hPSCから内皮細胞と周皮細胞を含む血管オルガノイドを効率的かつ再現性よく樹立する培地です。

STEMdiff™ Mesoderm Induction Medium（ST-05220, 05221）は、hPSCから初期中胚葉への分化用培地です。
得られる初期中胚葉細胞はさらに、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、内皮細胞などに分化させることができます。

STEMdiff™ Kidney Organoid Kit（ST-05160）は、hPSCから腎臓オルガノイドを効率的に樹立する培地です。得られる腎臓オルガノイドは、発達中のネフロンと付随する内皮および間葉で構成されており、腎毒性化合物スクリーニングや、腎臓の発生と疾患のモデルとして使用できます。

STEMdiff™ Mesenchymal Progenitor kit（ST-05240）は、hPSCから間葉系前駆細胞（MPC）様特性を有する細胞を誘導するための、動物性成分フリー（ACF）の培地です。得られる細胞は、長期培養および脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨細胞へのさらなる分化が可能です。

STEMdiff™ Lung Progenitor Kit（ST-100-0230）は、hPSCから胚体内胚葉、前方前腸内胚葉を経て、肺前駆細胞に分化させる培地です。得られる細胞はさらに近位または遠位気道細胞に成熟させることが可能で、肺の疾患や発生の研究に使用できます。

STEMdiff™ Branching Lung Organoid Kit（ST-100-0195）およびSTEMdiff™ Branching Lung Organoid Maturation Kit（ST-100-0528）は、hPSCから分枝した肺オルガノイドを樹立し、成熟させる培地です。分枝肺オルガノイドは、気道分枝形態形成と近位-遠位特異化を再現するモデルです。

STEMdiff™ Pancreatic Progenitor Kit（ST-05120）は、hPSCから胚体内胚葉、原始腸管、後方前腸内胚葉を経て、膵前駆細胞に分化させる培地です。得られる細胞は、さらにインスリン産生β細胞や膵内分泌および膵外分泌細胞に成熟させることが可能です。

STEMdiff™ Hepatocyte Kit（ST-100-0520）は、hPSCから肝細胞様細胞 (HLC) を効率的に作製する培地です。作製したHLCは、肝臓研究、疾患モデル、肝毒性試験といった用途に適しており、肝オルガノイド作製 (HepatiCult™培地を使用) にも対応可能です。

STEMdiff™ Intestinal Organoid Kit（ST-05140, ST-05145）は、hPSCから小腸オルガノイドを高効率に樹立するための培地です。Spence et al.（Nature, 2011）の報告に基づいて開発され、複数のhPSC株にわたってオルガノイド形成効率や再現性を高めるよう組成が最適化されています。得られる腸管オルガノイドは、発達中の小腸腸管上皮と付随する間葉系から構成され、長期継代培養による維持および凍結保存が可能です。

STEMdiff™ Gastric Organoid Differentiation Kit（ST-100-0475）およびSTEMdiff™ Gastric Organoid Expansion Medium（ST-100-0490）は、hPSCから高効率かつ再現性良く胃オルガノイドを成長および増殖させるための培地です。McCracken et al.（Nature 2014）およびBartfeld et al.（Gastroenterology 2015）の論文に基づくシンプルな4段階のプロトコルを採用しており、胃オルガノイドの樹立と分化だけでなく、長期的な増殖と凍結保存を可能にします。作製した胃オルガノイドは、発達中の胃上皮および付随する間葉を再現する細胞組成と組織を示します。

STEMdiff™ Definitive Endoderm Kits（ST-05110, ST-05115）は、hPSCから多分化能をもつ胚体内胚葉へと分化させる培地です。得られる胚体内胚葉細胞は、さらに肝前駆細胞、膵前駆細胞を含む多くの内胚葉系細胞に分化させることができ、薬剤開発や毒性試験の研究用途に使用可能です。

STEMdiff™ APEL™2 Medium（ST-05270, 05275）は、hPSCからすべての胚葉への分化をサポートする多用途の動物性成分フリー培地です。
培地組成は、Dr. Andrew Elefantyらの論文（Ng et al., 2008）に基づいています。

STEMdiff™ APEL2™-LI Medium（ST-05271）はインスリン含有量が低く、心筋細胞のようにインスリンによって阻害される系列への分化に有用です。

TeSR™-E6（ST-05946）は、hPSC維持培養のための低タンパク培地 TeSR™-E8（ST-05990）からTGF-βとbFGFを除いた組成です。
TeSR™-E5（ST-05916）は、E6からさらにインスリンを除いた組成です。
いずれもゼノフリー（ヒト以外の動物由来成分を含まない）の培地です。